旧・語り兼自分用メモ

生きてます…+突発話+スペース決定
2017/12/29() 03:43

【悲しさを殺して…】

―ダイル・テイティル
フロワ・リャイリャ・ナウェータ
ナエラチシュ・テカムナディ・ウニョメンス…―
(私はそれでも
百合の花を持って
笑顔で伝えると決意した…)


第10天国にある神の玉座…
そこに集められ、女神の命令を受けた四大天使達は、どこか複雑な表情を浮かべていた。

『ごめんなさい。けれど、どうか分かって…』

命令を告げた女神も、静かにそう延べる。

そう…
今し方、女神はこう言ったのだ。
『救世主を人の世に降ろす』と
そこまでなら、きっと沈んだ気持ちにはならなかっただろう。
寧ろこの場は、喜びに包まれていただろう。
しかし女神は、更にこう告げのだ。
『但し、裏切られて十字架に磔られる運命にある』と……

「主、どうか謝らないで下さい。主がお決めになられた事です。それが、今の人間達に必要な事だと言うのであれば、私達は全力で与えられた任務を全うするだけです。例え…その御子が辿る運命が決まっていたとしても…」

『ミカエル…』

流石、天使長と言うべきだろうか。
ミカエルは、今まで浮かべていた表情を消し去り、何時もの真剣な顔で、真っ直ぐと女神を見つめ、己の意見を述べた。
それに続くように、他の大天使達も、首を縦に振り頷いた。

『…。有り難う。理解してくれて…。ガブリエル』

「はい」

『聖母となる人の子へ、御子の誕生を知らせなさい』

「はい。その命、確かに…」

そうして、四柱の大天使達は、玉座の間を後にする。


『待って、ガブリエル』

しかし、退室しようとしていたガブリエルを、女神は呼び止め、そして駆け寄ると、彼女を優しく抱き締めた。

『自分で命を出しておいて、言う事じゃないと思うけれど…。無理…しないで頂戴ね』

「私は大丈夫です。……。ただ……。私の、少し我が儘を言うなら、御子も…主が私をこうして抱き締めて下さっているように、御子もその日まで…主や聖母、それから、出会い救う人々に愛され、こうやって優しく抱き締められる事を願います」

『うん…』

「主、大好き。けれど、今は嫌いっ……」
そう言って、まるで甘える子供の様に、胸に顔を埋めてきたガブリエルの頭をそっと撫でながら、女神は『うん…。今は、それでいいわ』と、柔らかく…ただ静かに答えた。


そして、受胎告知の日…
正装姿のガブリエルは、人間界にやってきた。
その手に、白い百合の花を一輪携えて…

家の窓から中を伺うと、一人の女性が、何か本を読んでいた。
よほどその本に熱中しているのか、時折クスリと笑ったり、泣きそうな表情を浮かべたりしている。
そんな彼女を見ていると、ガブリエルは益々心苦しくなる。

―今から産まれてくる子の運命を知ったら……―

「ミカエル…貴方なら、あの運命も彼女に伝える??」

そんな事をポツリと呟いた後、ガブリエルは苦笑いを浮かべた。
普段は、訓練で大怪我ばかりして、運ばれてくるどうしようもない天使長…
しかし、悩んだり迷ったり…
こういった重要な局面を迎えると、何だかんだで頼りたくなるし、頼ったとしても、彼は的確に道を示し、背を押してくれる。

「やっぱり、こんな局面は頼りたくなるわ」

真っ直ぐに見つめてくる、曇りが無い深く澄んだ青い瞳…
そんな、凛とした中に優しさと柔らかさも混ざるミカエルの瞳を思い浮かべ、ガブリエルは一人納得したように頷くと、今し方見ていた部屋の中に入る。

「マリア…」
「きゃっ!!あ…あなたは!?扉も窓も開いて無いのに、どうやって入ってきたの!?」
彼女は、突然声を掛けられ、更にいつの間にか部屋の中にいたガブリエルに驚き、辺りをキョロキョロと見回しながら問い掛ける。
「マリア…落ち着いて。大丈夫」
「お…女の人…??」
「そう。だからどうか落ち着いて。そして、私の話を聞いて欲しいの」
ガブリエルは、柔らかな口調でそう言い、マリアを落ち着かせると、手にしていた百合の花を彼女に渡し、御子の誕生を宣告する。

「おめでとうマリア。貴女は、神の御子を授かりました」

笑顔で…
しかし、奥歯を強く噛み締めて……


―リ・テイティ=ザートシアー…
ダイル・ヒュマターウ、ヒルスパッシェ=アリッフェ⇒ミ・プンジェ、ヴィジョスネーレ・レイス

フオルオー・ジェトキア…
ダレイス⇒"ディイクァラ=ドゥルスト・ウトゥー!!"⇒ダイル
ティアパスラルム
⇒"ケディーア・リ・テイティル・ジェトキア・ハリュシェアラ・ダイル"…
ダレイス…
ミィロ・トロクロウン…
シュトラフ・クレスト・ビグカビール⇔ラリスクハーリ
ペレストフィア・フノガ・ゼムル・サーキャナー
オー・ファウダベス

ネル…―
(その後…
私は人間に紛れて、救い主となった御子の一団に入り、彼女を見守っていた。

運命の日の前日…

彼女は、私に「死にたくない!!」と
泣きながら言ってきた。
「けれど、私は私の運命を受け入れなければならない」と…

そして彼女は
荊の冠を額に頂き
罪と大きな十字架を背負い
ボロボロの足で地を踏みしめ
丘の上に立った

そして…)

――――――――
†いざという時の天使長(笑)

普段はああでも、根が真面目なだけに、ガブガブも頼りたくなるんじゃないかなぁ…と。

因みに…
ミーなら運命を伝えた後に、「すみません…」と謝ります。
嘘が下手というか、吐けないというか……

しかし、ガブガブは伝えないという選択をしました。
「笑顔で伝えよう・祝福しよう」と決めました。
一応、医療天使の一人だし、余計な不安とかはさせたくないんじゃないかなぁ…

そして、女神様の事が本当に大好きだからこそ言える大嫌い…
他の天使なら、思っていても言えない言葉を、言ってしまえるのもガブガブです。
(まぁ…カイリエルとか、言いたい事を言う天使なら言いそうではあるんですが…)

ルーはまた別です(^^;)
ルーの場合は、反逆する位、女神様が嫌いでしたからね(笑)あと、御子は、当家では女性になっています。
まず、女神様が女性だしね…当家…
まぁ成り立つかなと

では、ここまで長々と…

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